調子の良い日は…

 今日は新聞配達の時の話を一つ。


 新聞配達2年目の話です。
 その日は目覚めもバッチリで体が軽く、とても調子の良い日でした。


 私、実は、調子の良い日に限って、必ず悪いことが起こる体質なんです。
 この日もそうでした。
 少しずつ日が昇り始め、薄明るくなってきました。私はまだテンション高く配達をしています。
 マンションを配り終え、駐車場を通った時です。薄明るかったせいでしょう。段差に気がつきませんでした。ちょうど段の中途半端な場所に右足が着地しました。


 ぐきっ!


 音が鳴りました。しっかり聞こえました。漫画みたいな文字まで出ていました。
 はい、ひねりました。
 私はその場で倒れ、身悶えました。
「のぉおぉぉぉぉ…」
 ジタバタしていましたが、朝の5時、辺りには誰もいません。シーンとしています。
 その状況に私は笑いました。何故だか分かりませんが、しばらく笑いが止まりませんでした。


 10分ぐらいその場で休んで(笑って)から、びっこをひいて配達しました。
 思ったより痛くないのですが、あの音です。骨イッたな、と思いました。
 何とか配り終え、すぐ病院に行きました。
「店長に何て言おう」とか、「明日以降の配達どうしよう」とか、色々考えました。


 先生、どうでしょう? 足をねじったんです。グキッて言ったんです。ヤバいですよね? ね? ヤバいですよね、先生。


「あー、捻挫ですね。大丈夫ですよ」


 ケッ! ヤブ医者が!
 その日の夕刊、普通に配りました。


 こらっ! オレの足、派手な音を鳴らすな! ビックリしたじゃないか!
 でもまぁ基本的に、調子の良い日は要注意なんです。