勝利は私が決める

 3月31日、バンビ君から電話がかかってきた。
「おい、今高校野球をやっているんだけど、見てる?」
「見ていない。どうした?」
「我が静岡の常葉菊川が、0対1で負けているんだ」
「へぇ〜」
「応援してくれ!」
「え〜」
「一人でも多くの声援が必要なんだ!」
 そこまで言われちゃあ仕方ない。応援してあげよう。
 すると、途端に同点。そして逆転。


 
 ※赤い線が見始めたタイミング。


 その二日後。またバンビ君から電話が来た。
「おい、見ているか?」
「見ていない」
「見てくれ。また負けているんだ」
「そうか」
 場面は9回表で3対4。負けている、と思っていたら、あれよあれよという間に3点が入り大逆転!


 


 今日は決勝戦。またまたバンビ君から電話が来た。
「見ているか!? 決勝戦だぞ!」
「あ、忘れてた。よしよし、勝つように応援してやろう」
 テレビをつけた直後だった。常葉菊川ホームラン。
 しかしまだ4対2で負けている。
「海人君、まだ負けているよ。大丈夫だろうか」
「心配するな。オレが応援している。大船に乗った気持ちでいるんだ」
 中盤に両者1点ずつ取り、終盤戦。ここからだ。私が念を送る。すると常葉菊川、一点差に詰め寄り、なおも同点、そして逆転までしてみせる!
 9回をしっかりと守りきって、見事優勝


 


 静岡県民よ、頼む、私を…、