食品偽装、格好悪いよ

 東京に住んでいた頃はまだ偽装とかそんな騒がれていなくて、でも色々な所で平気でやっていたんだろうけど、私が住んでいた所はさびれた商店街ながら決して悪い事はしないような、正直だけが取り柄ののどかな店ばかりだった。
 はす向かいの小汚いスーパーもそう。店に入ると、いつも「いらっしゃいませ〜」とにこやかに小汚いおばちゃんが挨拶してくれる。こんな店が偽装などするはずもなく、それは商品を見ただけで分かる。
「おばちゃん、これ賞味期限切れてるよ」
「あらそう? いいじゃん、買ってってよ」


「んがぐぐ」って言った。