コンコルドは飛んでいく
ブックオフで買い物をしたら、店員の滑舌がめちゃくちゃ悪くてビックリした。メガネでヒョロっとした気の弱そうな男だ。言ってることが全く分からない。大袈裟ではなく、これは日常でも支障をきたすだろうというレベルのヒドさだった。原因はその出っ歯なのだろうが、そんな滑舌の悪さで何故接客業を選んだ。何故面接に通った。疑問だ(差別とかではなく客が困るのだ)。
「笑点のカードはフォルテッシモ?」
カードという単語は聞こえたので、「当店のカードはお持ちですか?」だと推測し、「持ってます」と答えた。しかし財布の中を探したがブックオフのカードが無い。
「すみません、ちょっと見当たらないのですが……」
「はい、ダイジョウブしぇす。じぇすがコンコルドのフォイントはしゅきやしぇんがしょりょしょりいでしょうか?」
「はい?」
「コンコルドのヒョインショはしゅきやしぇんがしょしょしょるいでしょうか?」
「はい?」
「コンコルドのポインショはしゅきやしぇんがしょるしょるしいでしょうか?」
「はい?」
「コンコルドの……」
コンコルドはもうええっちゅうねんっ!! 何やねんコンコルドって! 最後のしょるしょるしいも分からん! 途中「ポインショ」が聞こえて、ようやく分かったわ。
「今回のポイントは付きませんが宜しいでしょうか?」
ようやく理解して顔を上げたら、店員切ない目をしとったわ。まったく、こっちがしょるしょるしいわ!