延命

「先生! 祖父は助かるんでしょうか!」
「今夜……、もって明日の朝が峠でしょう……」
「そんな……」
「……フガフガ」
「あっ、おじいちゃん!」
「……桃」
「え? 何? 桃レンジャー!?」
「……桃が……食べたい」
「え!? 桃レンジャーが食べたい!? 下ネタ!?」
 ピーーーーーーー
「おじいちゃーーーーーん!」
 ピコン
「生き返った!」
「……違う。果物の……桃じゃ……」
「あっ、果物ね! はい、桃」
 モグモグモグ
「食べましたか?」
「はい先生、食べたようです」
「おじいさんは今年桃は?」
「まだ食べていないと思います」
「おめでとうございます。初モノなので寿命が75日延びました」
「聞いた? おじいちゃん! こいつヤブ医者だよ!」
 ピーーーーーーー
「おじいちゃーーーーーん!」


 親戚が桃を送ってくれた。天にも昇るような美味しさだった。
 皆も遠慮せず、ウチに美味しい物を送ってくれれば良いじゃん。