オレだけど

 今日、私宛にエアメールが来ました。
 内容はこうです。


 あなたは顧客優良度において、最高得点を獲得されました!
 ぜひこの優良度をご利用になり、最高賞金総額300万豪ドル(約2億4千万円)当選に向けてオーストラリアン6/45ロットーの登録チャンスを手にして下さい。


 要するに、登録して、ロト6みたいなクジをして、当たったら2億円もらえるというようなことです。
 私はすぐに飛びつき、登録しました、…っていう人いるんですかね?
 怪しすぎますよ。危ない危ない。


 世の中には詐欺が蔓延(まんえん)しています。気をつけなくてはなりません。
 今、世間を騒がしているものはオレオレ詐欺です。お年寄りが狙われやすいので、特に注意しなければなりません。手口は身内や孫を装って、「今事故に遭って金が必要だ」などと騙し取るのです。


プルルルル プルルルル ガチャッ
「はい、もしもし、木元ですが」
「あ、おじいちゃん? オレオレ、オレだけど」
「おぉ〜、久し振りだな〜。信子か?」
「ん? え〜と…」
「孫の信子だろ?」
「う、うん、私」
「どうしたんだい?」
「いや、今事故ちゃって。金が必要なの」
「え!? 事故った!? そりゃ大変だ!」
「車の事故なの。最悪なことに、相手ベンツなんだよね〜。かなりお金がかかりそうなの…」
「車にぶつかった…。信子! ケガは、ケガはないのか!?」
「うん、それは大丈夫。でも相手の車、かなりヘコんじゃったの」
「そうか…。いやいや、信子にケガがなくて良かった。三輪車とベンツでよく助かったな」
信子っていくつ!!?
「自分の年も忘れちゃったのか。昨日で3才だ。昨日おじいちゃんと電話しただろう」
「…あのー、オレ、声違わない?」
「いや別に。何で?」
「え…、……これ騙せんのかな」
「何をブツブツ言ってんだ。事故ったならしょうがない。金払うから。いくらだ?」
「え…と、とりあえず50万…」
「分かった。…ところで信子、おじいちゃんの誕生日プレゼント、気に入ってくれたかい?」
「う、うん…」
「ピッタリだったか?」
「う、うん…。ピ、ピッタリだったよ」
「もう試着してみたのかい?」
「うん。あ、あれ、私の好きな色よ」
「そうか、それは良かった。うんうん。おじいちゃんの入れ歯は最高だろ」
「孫になにあげてんだよ!」
「……信子、ガラ悪いぞ」
「ご、ごめんなさい。とりあえず、今から言う銀行口座に振りこん……、え…? ちょっと、え?」
「警察だ。老人から通報を受けていたんだ。逆探知成功だ。」
「な、なにーー!? ちきしょーーー!」
「あ、もしもし、警察です。おじいちゃん、ご協力ありがとうございました」
「え? 信子は?」
「逮捕しましたよ。これから牢屋にぶちこんでやりますから」
「そんなっ! 信子! 信子ぉぉぉ〜〜〜! あんなに良いコだったのにぃぃぃ〜! あぁあぁぁ……」
「……訳分からんな」


 騙す方も悪いですが、騙される方もちょっと油断し過ぎなのかもしれません。おいしい話、怪しい話には気をつけましょうね。
 騙されてお金を支払うのは、手品だけにしたいものです。


 …と、軽くまとめようと思ったのですが、これを読んで青くなりました。
 皆さん、気を引き締めましょう! どうか詐欺から身を守って下さい!
 ↓
 オレオレ詐欺の手口