にゃにゃにゃにゃにゃー

 私は猫と喋ることができます。


 こう友人に話したら、「可哀想に…」というような顔をされました。いえいえ、話せるんですよ。話せるというか鳴きまねですけど。江戸家猫八レベルです。
 猫語が通じると確信したのは新聞配達をしていた時のことです。


 東京は猫が多いです。
 朝、配達していたらポストの横に猫がいました。私が「おはよう」の意味を込めて「ニャ〜」と鳴くと、猫は飛び上がるほどビックリして、「え? 今喋った?」という顔で見ていました。
 違う日にも別の猫に「ニャ〜」と鳴いたら、キョロキョロと探していました。
(あれ? 鳴き声が聞こえるけど、姿が見えないぞ…?)
 もう一度、私が鳴いたのだと分かるように鳴いたら、その猫ニ度見しましたから。
(あぁ、キミが鳴いてたのか。…って、人間っ!?)


 私、猫語話せます!


 ……可哀想に…。