電車男を初めて観る

 映画電車男オフィシャル・ビジュアルブック (学研ムック)


 今日、映画『電車男』を観てきました。いやいや、私は全く観る気はありませんでした。ずっと騒がれていましたが、何の関心もありませんでした。それが、突然友人の発案、「『電車男』を観よう」。
 しかもかなり本気で観たいと言っております。「そこまで言うのなら…」と、私ともう一人の友人は折れたのです。
※ネタバレあり


 観ました。始まって5分、もうどうでもよくなりました。
 よくよく考えたら私、恋愛モノ、全く興味ない人です。
(やばい、つまらん)
 しかも、出てくるオタク3人の言動が非常に気持ち悪いです。戦場のシーン、いりません。
 全部2倍速にしたい気持ちでいっぱいでした。


 ところが、本編の意図とは全く関係ないところで私は興奮を!
 中谷美紀が自分の家で音楽をかけるシーン。中谷美紀はリモコンを間違えて、テレビをつけてしまったのです。
 そこで私は不思議に思いました。
 おや? この人は自分の家なのに、何故コンポとテレビのリモコンを間違えたのだろう?
 しかし電車男はそれに疑問を持たず、「もしかして天然ですか?」と間の抜けた質問。
 いやいや、考えてみてください。普通、自分家のリモコンを間違えるでしょうか? 使っていれば分かるはずです。
 買ったばかりで分からなかった? テレビとコンポを数日前に二つとも? だって、どちらか一つだけだったら消去法でコンポのリモコンが分かるはず。二つとも新品でなければ間違うはずがありません。見分けがつかないほど似ているリモコンではなかったようですし。
 仮にどちらも新品だったとしましょう。それなら「最近買ったばかりなので」などと言い訳しても良いはずです。しかし中谷美紀は、「もしかして天然ですか?」という問いに固まっていただけでした。
 怪しいです。非常に怪しいリアクションです。
 私は推理します。そこは中谷美紀の家ではなかった。恐らく友人の家を借りたのでしょう。動機は少しでも良く見られたかったという見栄から。
 試しにトイレの場所を聞いてみてください。たぶん彼女は「玄関の横だと思うけど…」とボロを出すはず。そして玄関の靴箱を見れば一目瞭然。大きさの違う靴がたくさん並んでいるはずです。
 そうです! ここは、彼女の家ではありません!


 気がつくと私は、訳の分からない妄想に突っ走っていました。
(いかんいかん、せっかく金を払ったのだから一応しっかり観ないと)
 そう思ったのと同時に、今度は急にトイレに行きたくなりました。上映中にお茶をがぶ飲みしていたのがよくなかったようです。
 そこから最後まで、頭に浮かぶ言葉は「トイレトイレトイレ」でした。もう映画の内容は入っていません。ずっとトイレトイレトイレ。トイレトイレトイレです。
 そして映画はクライマックス。同時に私もクライマックスです。映画と一緒に「キターーーーーー!」です。
 我慢が限界に達する頃、ようやく脇役たちのエピローグです。人生で初めてです。映画の途中で席を立つの。トイレに駆け込みました。
 戻るともうエンドロール。でも損した気分にはなりませんでした。


 終わって感じたのは、私と会場の温度差がものすごい違っていたことです。だって、終わったら拍手が起こっていましたから…。途中だって爆笑が何度も。…う〜む、どこも笑えなかったけど……。
 やはり私は恋愛モノには向いていないようです。サスペンスやアクションでないと。
 一つだけ良かったのは看護婦さん。とても可愛かったです。メガネの国仲涼子、萌ぇ…、おっと! それだけは言ってはダメだ!