娯楽が生活になった男の話
「人生をやり直しちゃあいけないって、誰が決めたんですか?」
これは古畑任三郎が、自殺を図ろうとした犯人にかけた言葉です。
心に響きます。同感です。
「人生をやり直しちゃあいけないって、誰が決めたんですか?」
そう、自分次第なんです。どんなに年を取っていても関係ありません。やり直そうと思えば、いくらでもやり直して構わないのです。自分の人生ですから。
しかし、気を付けて下さい。やり直すことは出来ますが、リセットは出来ません。
ゲームではありませんから。一番最初から…とか、セーブした場所から…、なんてことは出来るはずもないのです。
現在のゲームは日々進化しています。グラフィックも信じられないくらいに美しくなり、ストーリーも複雑化し、もう子供だけの遊び道具ではなくなっています。むしろ今では大人の方がハマっています。辛い現実があるからこそ、そこから逃れるようにハマってしまうのです。
ある者はゾンビを撃って基地から脱出し、ある者はロボットに乗って地球を守り、ある者はキノコを食べてクリボーを倒す。
皆、ゲームの世界で大忙しです。
「娯楽」で留まっている人は、まだ大丈夫でしょう。しかし「娯楽」が「生活」になってきたら、気を付けて下さい。
仕事よりもゲーム。食事よりもゲーム。人付き合いよりも、外へ出ることよりも、身近などんなことよりもゲーム、ゲーム、ゲーム。こうなったら危険です。非常に危険です。
精神は崩壊し、人と会話が出来なくなる。2次元の女性に恋をし、秋葉原に通い出す。
もちろん、こんな人でもやり直すことは出来ます。自分次第ですから。
しかしいくらやり直しても、今までのムダな時間が消えることはありません。リセットボタンなど存在しないのです。それを深く胸に刻み込んでいて下さい。
「まぁまぁ、そんなに心配すんなよ。人生はリセットが出来ない? 大丈夫大丈夫。全く問題ないよ。だってオレ、呪文使えるから」
こういう危篤な人は、心してこの記事を読んで下さい。
<ネットゲーム>連続50時間熱中、28歳男性過労死 韓国
【ソウル堀山明子】韓国・大邱市内のインターネット喫茶で今月初め、パソコンゲームを約50時間休まずに続けた男性(28)が店内で倒れ、3時間後に死亡したことが分かった。韓国有力紙「朝鮮日報」などが報じた。警察は、過労による心臓まひとみて調べている。
警察によると、男性は3日午後9時から5日午後10時半ごろまで、人気の戦略シミュレーションゲーム「スタークラフト」に熱中。店主が「控室で休んだら」と忠告しても、睡眠も食事もとらずに続けたという。男性はゲームに没頭して欠勤が続き、7月初めに勤務先を解雇されていた。
韓国では若者を中心としたネット中毒が社会問題化している。高麗大医学部の調査によると、中高生は1日平均3時間前後インターネットを利用。38.5%に中毒の初期症状がみられ、2.9%が重症という。<毎日新聞>
けっしてゲームが「生活」になってはいけません。その先には、やり直しもきかない世界が待っているだけです。
まぁ別に忠告しなくても、こんな人他にいないでしょうけど…。
あ、この人、オレと同い年…。