大苦

 今日は朝からトンカントンカン、父が日曜大工(土曜だけど)をしていました。何やら棚を作っているようです。
 私は嫌な予感がしました。父が何かを作ると、必ず生活に支障をきたすのです。


 洗濯機の棚を作ったことがありました。低く作りすぎて、洗濯物が出しにくくなりました。
 鍋用の棚を作った時は、棚が邪魔して換気扇のスイッチが押しにくくなりました。
 弟の部屋にペンキを塗った時は、「換気しろ」という忠告を無視して行った為に、シンナーが充満してひどい有り様になりました。
 他にもまだまだたくさんあります。とにかくヒドイんです。すべてちょっとした嫌がらせ的な感じに仕上げてくれるのです。ホントに迷惑。
 今回もそうなのでしょうか。出来ることならやめて欲しい。


 そんな願いも虚しく、私の嫌な予感が当たってしまいました。いや、それ以上に最悪の結果に仕上がりました……。
 出来上がった棚は台所に置かれました。ごちゃごちゃしていた物をスッキリとさせたかったのだそうです。


 まず、食器棚の一番奥の扉が開かなくなりました。作った棚でつっかえています。一応少しは開くので、何とか皿は取り出せます。しかし大変。一枚ずつしか取れません。最悪です。
 次に、ゴミ箱がなくなりました。台所にゴミ箱が3つあったんです。燃えるゴミ用、燃えないゴミ用、資源ゴミ用。棚を置いたために、3つとも全てなくなってしまいました。
 父にどこへやったんだと聞くと、こんな返事が。
「外に置いた」
 最悪です。外の勝手口に置いたそうです。今までは普通にゴミを捨てられたのに、これからはわざわざ外へ出て捨てなければなりません。


 もちろん激しく抗議しましたよ。面倒臭い、イヤだ、勘弁してくれって。しかしダメでした。棚を置いてしまった以上、もう台所には置けないのだそうです。
「仕方ないじゃないか……」
 あんたが原因やっ!
 本当に浅い考えで作るから困ったものです。もうやめて欲しい。何も作らないで欲しい。どうしたら分かってもらえるのでしょう。
 被害を被るのは全て私たち。泣いても良いですか…?