赤い彗星誤作動

 昨日買った携帯だが、私は赤を選んだ。形は厚め。最近は薄型が主流になっているようだが、私は分厚い方が好きなのだ。しかもおもちゃっぽいやつ。なので数少ない分厚いデザインの中から、必死に好みの携帯を選んだ。結果、なかなか気に入ったものを選ぶことができた。


 メールを打ってみる。auの時とはかなり使い勝手が違う。苦戦しながらも徐々に慣れてきた。
 そ、ふ、と、ば、ん…。
 おい! ここまで打っているのに予測に「ソフトバンク」が出ないってどういうことだ!? むぅ〜。色々と教え込まなければならないようだ。
 しかし絵文字は面白い。かなり動く。サラリーマンはかなり謝っているし、怒っている人はめっちゃ怒っている。これは楽しい。


 プルルルルル プルルルルル
 おっ、バイエルン氏からだ。
 電話に出ようとすると、「カメラOK?」みたいな文字が出た。「何これ? こわっ」と思い、私は「NO」を選択。次の瞬間、驚くものが携帯の画面に映った。
 動くバイエルン氏の顔のアップ。
「うおっ!」
 私は思わず顔から携帯を離した。
 携帯からは小さく「おーい、おーい」と声がしている。私は静かに電源を切った。


 危なかった。あと1秒遅ければ、私の赤い彗星がお陀仏になっていた。つうかあそこで「OK」を押していたら、私のマヌケ顔が向こうに渡っていたことになる。くわばらくわばら。
 バイエルン氏よ、何がしたかったのだ…。テレビ携帯は男同士でやるもんじゃない。二人ともダメージを負うぞ。気をつけろ。