母から父の逸話を頂いた

 母はお琴を習っている。かなり昔から習っており、お琴の先生(女性)とはかなり長い付き合いなのだという。
 父と母がまだ結婚したての頃、夫婦でそのお琴の先生の家へお邪魔することになった。父はお琴の先生と初対面。もちろん家へ行くのも初めてだ。
「○○さん(父の名前)、どうぞ楽にして下さいな」
 お琴の先生は、緊張しているだろう父に、そう声をかけた。
「ありがとうございます」
 父は丁寧にお礼を述べると、ソファに横になり、寝た。マジで寝た。眠った。おやすみになった。就寝した。いびきもかいた。
 母は苦笑。先生は目を丸くしていたそうな。


 助けてくれ。父の偉大さに押しつぶされそうだ。