置き手紙

 母は7年前に大きい事故に遭っている。車同士の事故で、三日間意識不明の重体という大事故だった(相手は幸いにも無傷)。原因は、どちらかの信号無視。未だにどちらが悪いか分からない。相手は「自分の信号は青だった」と主張しているが、さすがに警察もこの言葉を鵜呑みにすることは出来ない。母はもちろんその時の記憶は無いため、結局証拠不十分ということで示談という形になった。
 事故を客観的に説明をするとこうだ。ウチの車が十字路を通った時に(信号は不明)、相手の車、つまり運転手が日系ブラジル人の音楽をガンガンに鳴らしたクソファック改造車が突っ込んで来て、ウチの車の脇腹に体当たりし、ウチの車はその勢いで歩道に乗り上げ壁に10mくらい擦らせながらようやく停止。救出する際も、車のドアが開かずにレスキュー隊が来た程だった。
 まぁこれだけではどちらが悪いのか見当もつかない。
 母はありがたいことに三日目で目を覚まし、脳の手術をして、今は何の障害もなく空を飛んでいる。


 あれから7年。一応定期的に脳外の病院に通っている(異常無し)。
 今朝起きたら、今日も行ったらしく、テーブルの上に手紙が置いてあった。


 脳外に行ってきます。鼻のおできも診てもらうつもりです。 母
 知らんがな!