発明王、海人

 ふと立ち寄ったブログに、「休講」という懐かしい言葉を見かけました。大学で一番テンションが上がる言葉です。
 あぁ、大学か…。そんな時代もあったなぁ〜と、つい遠くを見つめてしまいました。
 しかしそれで思い出しました。そうそう、その頃です。私があの発明品を思い付いたのは。


 大学で、学生が一番よく使う機材は何だか分かりますか?
 机? パソコン? 実験道具? いえいえ、正解はコピー機です(他は知りませんが、私の大学ではそうでした)。
 誰が何のためにコピー機を使うか。もちろん、真面目に勉強をし、ノートをしっかりとっている生徒が使う…、のではなく、その優秀な人のノートを写させてもらうバカ生徒が使うのです。
 レポート提出前になると、コピー機は大行列です。皆コピーをとりまくり、レポートにひたすら書き込む書き込む書き込む…。
(まったく…。毎日授業でしっかりと書いていれば、そんなに必死にならなくて良いのに…)
 私はコピー機の順番を待ちながらそう思ったものです。


 それにしても「コピーしたものをノートに書き写す」、とても大変な作業です。ワープロなどで書けばいいのに…。いえいえ、レポートは手書き指定なのです。ワープロなどを認めてしまうと、必ずデータが出回り、それをプリントアウトするだけの輩が出てきてしまいます。教授もなかなか考えております。
 そこで私はピーンと閃いたのです。
 そうだ! 手書き風コピー機があれば良いんだ!!
 これは大発明です。自分の頭脳に惚れ惚れしてしまいます。
 どんな物かと言いますと、コピーすると、インクではなく全て鉛筆で印刷されるのです。しかも1,000種類の手書き風フォント(綺麗な文字、丸文字、左利き用文字など)が選べる機能付きです。
 これはすごい発明ではないでしょうか? エジソンも脱力です。
 作りましょう作りましょう。各大学に一台! 売れまっせー。


 しかしこのような大発明を発表すると、必ず妬みを持つ者が出てきます。そしてこんな悪い噂を立てるのです。
「手書き風コピー機を設置した大学は、数年後には必ず三流大学と化すだろう」
 根拠はないです。迷信です。耳を貸さないでください。
 作りましょう作りましょう。各大学に一台! 売れまっせー。