小さな丸いオレンジ色

 専門学校時代、新聞配達仲間と飲んでいた時のことです。
 何故だか話は「オレンジ色の電気」の事に。電気のひもを2回ひっぱると、オレンジの小さい電球がつきますよね。あれです。
 あれは何のためにあるのか、という議論でした。
「あれに意味はないよ」
「うん、飾りでしょ」
「いや、小さい子のためにあるんだよ。暗くて恐がるから」
「あ〜、そうかも」
「オレもそう思ったよ」
 そんな流れで皆が納得しかけた、その時です。1人がおもむろに口を開きました。
「あれは”エッチの時のため”って聞いたよ」
 一瞬の沈黙。その直後、全員が「なるほど〜」と強く頷きました。
 あの程よい薄暗さ。ムーディーで怪しげなオレンジ色の明かり。全てつじつまが合います。
「そうか〜、なるほどね〜」
 私がしきりに感心していると、その人が衝撃的な発言をしました。


「あのー、これ、前に海人君が言ってたんだけど…


 は?
 ……ゼンゼン覚えがないです…。
 でもなかなかやりますね、昔の私。今の私を感心させるなんて。良い発想をしております。センスがあります。素晴しいです。将来有望です。


 …これって”自画自賛”ですかね?