富士レポート1
「雲の上の上」 富士レポート1
とうとうこの日がやってきました、フジ登山! はりきって登りますよー!
前日に準備はしっかりとしておきました。
まず靴を買いました(靴ずれってナンデスカ?)。リュックも買いました。日焼止めも、雨具も、サングラスも、すべて買い揃えました(形から入る男、海人)。
あとは出発するのみ、と思ったら問題が。
当初は男3人で行く予定でした。しかし、1人が前夜に無念のキャンセル。どうしても抜けられない仕事が入ってしまったそうなのです。日にちをずらせられれば良かったのですが、3人のスケジュールが合わず。しかも富士登山が8月いっぱいで終わってしまうこともあって、今年は諦めてもらうことにしました。
ということで、2人で出発。
当日、朝の3時に集合(新聞屋か!)。
ドライブを楽しみながら、静岡へ!
富士山が近づき山肌が見えてくると、もうテンションは最高潮。
「もうすぐだから、首を洗って待っとけぃ!」
6時30分、無事に富士山5合目到着(※5合目までは車で行けるのです)。山頂を見上げて私は確信しました。余裕だなと。
まず朝ご飯のおにぎりをほお張り、着替えを済ませ、さぁ準備完了です!
5合目入り口で記念撮影。パシャリ。
ここでお詫びが…。ブログに載せようと、張り切って写真を撮ってたのは良いのですが、携帯電話のカメラに慣れておらず、ことごとくブレてしまいまして…。家に帰って見てみたら、ほぼ全滅…。ガックリです。友人の写真と、奇跡的にうまく撮れた写真を必死に集めて載せていこうと思います。ホントに少ないですが、ご理解下さい。
さぁ出発です。ちなみにコースは”須走口”。どんなコースかは知りませんが、頂上を目指すことに変わりはありません。
山道に入って、まず感じたのは匂いです。土の匂い。草の匂い。花の匂い。これが大自然の匂いなんですね。スゥ〜ハァ〜、スゥ〜ハァ〜。とてもクサいです。しかし景色は良いです。生い茂る木々に草花。キレイです。はぁ〜。
登って5分経ちました。すると突然、
「きゃーーーーー!」
私の心臓が悲鳴を上げました。さっきから段差がキツすぎます。道もデコボコしすぎます。いや、それよりももっと重大なことに気付きました。さっきからずっと上り坂なんです! 意味が分かりません!
……そんな私に、ここを登れってか?
それでも何とか登って15分。少し広い所に出まして、ようやく休憩です。ふぅ〜。
すると、20代前半と思われるカップルも登って来て、私たちの近くで休憩をしました。
そのカップルの彼女が下を見て、突然歓喜の声を上げました。
「ねぇ! ここってもう雲の上?」
「ん?」
彼氏と私たちは下を見ました。
あぁ、これはキレイ。雲の絨毯です。私たちは今、雲の上にいるんです。感動です。
すると彼氏は言いました。
「まだ雲の上じゃねーよ」
はぁ?
彼氏よ、この光景を否定するのか…。見ろ! その腐った眼でしっかりと見ろ!
彼女は無言です。当たり前です、あんなボケ返答をされたんですから。
”そんな答えが欲しかったんじゃない。ただ一言「そうだよ」って、何故言ってくれないの? ねぇ見て。その腐った目でこれを見て。ほら、下に雲。ということは、私たちは雲の上。そうじゃない? ねぇ、お願い! 雲の上だと言って! ねぇってば!”
こんな感じでしょう。
まぁ、あんなバカップルは置いて行きます。私たちには使命がありますから。
いざ山頂へ!
先ほど休憩して、少し復活しましたからご安心を。足取り軽く、それ、行きまっしょい!
…いや、そんな気がしただけでした。歩いて5分、またあの症状が。荒い呼吸が止まりません。心臓もこれ以上速く動かないというほど激しく鼓動しています。ハァハァハァ! 苦しいです…。み、水を…、だれか…水を下さい…。それと、美味しいフランス料理を…。
こんなうわ言を言ってしまうほど苦しいのは当然のことでした。そこは地上2000m以上の場所。それだけ酸素が薄いのですから。
ちょっと歩いて、ゆったり休憩。またすこし歩いて、ぐったり休憩。それを何回も繰り返しました。
どのくらい歩いたでしょうか。ようやく富士登山の第一関門、新6合目に到着です!
あぁ…ここは天国ですか…。
小汚い小屋が天国に思えるほど、大変な道のりだったんです。私たちはイスにどっかりと座り、しばし放心していました。
売店をぼ〜っと眺めていると、ある商品に目が止まりました。そして私は友人に一言。
「杖、いるよね…」
すると友人も、
「…あぁ、いるね……」
杖、購入です。1,100円也。
さぁ、次の本6合目を目指して頑張ろうか、と気合いを入れたその時、ある看板を見付けました。
このコースの地図のようです。
え? 5合目からここまで 80分!? 私たちそんなに歩いていましたか!?
それだけで目眩がするのに、次の中継地点までの時間を見て卒倒しかけました。これからまだ 50分も登らないといけないんです!! そしてその先も 50分!! その先は、その先は…、涙で読めません!
第一関門で早くも途方に暮れた海人。さて、無事に頂上まで登れるのか!? 次回を待て!