富士レポート2

「行進うって 歩いてゆくよ」 富士レポート2


 富士山の中継地点ってよく分かりません。単純に5合目、6合目、7合目、8合目…ではないんです。新6合目や本7合目など、なにやら細かく別れています。
 しかし、中継地点が多いのは嬉しいこと。登る目標になりますから。
「もうすぐ本6合目だ。ハァハァ…。もうすぐもうすぐ…」
 休み休みですが、登ります。確実に距離を縮めます。千里の道も一歩からです。着実に一歩、二歩、三歩。三歩進んで二歩下がります。いえ、下がりません。頑張りました。足がガクガクになりながらも頑張りました。
 ついに第ニ関門、本6合目に到着です!


 本6合目で体力を回復させていると、「焼印 200円」という看板を見付けました。
 焼印とは、スタンプのようなものと考えて頂ければ良いです。インクではなく、焼いて印をつけるのですが。
 焼印を押してもらうにはある条件が必要です。その条件に当てはまるモノを、私たちは偶然にも手に入れていました。その条件とは、「木の杖を持っていること」。※もしかしたら、木の板とかでも良いのかも…。
 おぉ! 持ってます! さっき購入しました! 八角形の木の杖ですね?
 そしてさっそく焼き付けてもらいました。



「須走口瀬戸館 本六合目 海抜2700メートル」


 嬉しいですね、こういうの。「登った証!」みたいな感じで。
 それにしても200円は高いです。たかが焼印ひとつで。もっと安くして、たくさんの人に買ってもらうようにすれば良いと思うのですが。そうすれば杖も売れるし。
 商売下手ですね。


 さぁ、次はいよいよ7合目。また50分の道のりです。
 この頃から山の周りに雲が多くなりました。下の方を見ると、わたあめのような真っ白い雲がずっと広がっています。
 自分でも気付きませんでしたが、私、雲が好きなようです。雲の写真ばかり撮っていました。











 そしてこれはスゴイ! 雲のサンドイッチ!





 このような眺めで疲れをごまかしごまかし登っていましたが、さすがに体は気付いたようです。
「酸素、足りなくない?」
 もう2700メートル以上。酸素が薄すぎます。倒れます…。
 いえいえ、そんなこともあろうかと買っておきました。とっておきアイテムを!
 そう、酸素スプレーです!
 これで酸素が吸えます! なになに? 吸う動作と同時に酸素を噴出して下さい、か。よし。
 プシュー…。
 すぅーーーーーーーーっ!!
 !! 吸うタイミングを間違った! 貴重な酸素が〜〜!


 気をとり直してもう一度。
 プシューーすぅーーーーーーーーっ!!
 よし、吸い込めた! 酸素が体の中に! 入って…、あれ?
 ……全然分かりません…。酸素って、味がないですね…。本当に入っているのですか? プシューっていう音だけってことはありませんよね? 誰か、ちゃんと確認しました?
 体だって特に効果が見られませんよ。相変わらずゼェハァ言っていますし、心臓はドドドドドと鳴っています。う〜ん。
 それでも気休めに使いました。半信半疑のまま使いました。


 というか、まだですか、7合目は? 3日ぐらい歩いている気がします。
 ぼぉ〜っと気が遠くなったその瞬間、友人の叫び声が。
「小屋が見える!」
 言葉ってスゴイですね。酸素スプレーより効果があります。7合目に着くまでの5分間、元気になりましたから。


 ようやく7合目、3010メートル地点に到着です。





 ここでお昼休憩。昼ご飯を食べて力をつけます。
 時刻は11:30。もう4時間半も歩き通しだったことになります。28年間生きてきて、今日が一番歩いた日だと思います。


 さて、今後の予定。1時頃には下山したいと友人は言っておりました。下山は登りより時間が短くすみますが、あまり暗くなると大変です。私もその案に賛成でした。
「まぁ最大でも2時頃には下山を」
 こんな感じで決まりました。2時頃までですと、スムーズに行けば山頂まで登れる時間です。
 頑張るぞ、おぉーーー!


 さぁ、昼ご飯を食べて力を蓄えた友人と海人。はたして結果は!? あぁっ! 海人に何があった!? 次回をまて!
 え〜? まだ続くの〜?
 あ、次で終わりです。すみません。