どっちでショー

 スーパーで夕飯のおかずを探していました。お惣菜コーナーに行くと、今日はコロッケの安売りの日のようです。アラ、お得〜。
 見ると、たくさんの種類のコロッケが並んでいます。男爵コロッケに牛肉コロッケ、カレーコロッケにカニクリームコロッケ
 迷っていると、そこへ親子がやって来ました。母親と幼稚園くらいの女の子。
「ユキちゃん(仮名)、今日はコロッケにしましょうね。色々あるけど、ユキちゃんは何コロッケが良い?」
 するとユキちゃん、即答でこう叫びました。
「苺コロッケ!」
 私とその母親は一瞬時間が止まりました。苺コロッケ…。
 母親はすぐに立ち直り、「苺コロッケね、はいはい」と軽く流して男爵コロッケを取っていました。
 しかし、私はその子に何かを感じました。料理とはヒラメキ。発想を広げ、新しい味を作っていくもの。その子は力強く、「苺コロッケ」と言いました。天才の可能性を感じます。そんな発想、凡人には出てきません。素晴しいです。
 ま、天才とは紙一重ですからね。ものすごい天才となるか、ものすごい料理下手となるか。
 さてさて、どっちでショー。