小学校の前の畑

 プルルルル、プルルルル。
 電話です。
「はい、もしもし」
「あ、もしもし? お宅さー、小学校の前の所に畑作っているでしょ?」
 は? 突然何の質問でしょう? 畑? 何のこと…?? とにかく電話のおばちゃん、怒ってらっしゃいます。
「あ、あの、どちらにおかけですか?」
「だから、お宅の畑のことよ」
 話を聞いて…。お願いだから。
「あの! ど・ち・ら・に、お・か・け・で・す・か!?」
「……。え…? ○○さんでしょ?」
 ………。
 微妙です。すごいウチの名字に似ている名前を突いて来ました。ぐむ〜。ウチなのでしょうか? でも畑は持っていません。
 そうだ、番号を聞けば分かる。ウチは下4桁が2880。違えば間違い電話です。
「失礼ですが、何番にかけましたか?」
「…え〜と、3475ですが…」


 全然違う〜〜〜!
 かすってもねぇ〜〜〜!


 私が「違います」と告げると、「あら、そう」と切られました。
 きぃーーーー!
 一体どういう思考回路をしているのでしょう。まったく。


 それよりも何よりも、おばちゃんは何を怒っていたのでしょう。小学校の前の畑にどんな問題が?
 まぁ大したことではないと思います。そう、大したことじゃないです。うん、大したことじゃ…。
 あぁっ、気になるっ!
 おばちゃん、もう一度間違い電話待ってます…。