ラウンド1リターンズ

 ラーメン博物館の後、我々はボーリングをしにラウンド1へ行った。
 1年ぶりだろうか。久し振りのボーリングである。
 緊張の1投目。いきなりのストライク! 絶好調! 中盤に少しリズムを崩したが、まぁまぁ良い。136をマーク。これからである。
 iwan-bow氏は終始好調だった。毎回9ピン倒し、スペアを取っていく。
 バイエルン氏はあまり良くなかったが、10フレーム目になってようやくストライクを取る。2本目もストライク。そして何と3本目もストライクを取り、ターキー! バイエルン氏爆発。
 まぁまぁ1ゲームは準備運動。2ゲーム目、ここからが本番である。
 私の1投目、3ピン。2投目、ガター。…むぅ、準備運動で力が尽きたようだ。もう後は目も当てられぬ散々なスコア。
 iwan-bow氏とバイエルン氏は変わらず好調を保っており、接戦となっていた。


 そんな中、突然会場でイベントが発生した。照明が暗くなり、レーンの周りに赤いランプが照らされる。スタッフが客の動きを止め、説明を始めた。
「今から投げる人は前へ出て下さい。これから皆さんで一斉に投げてもらいます。そして見事ストライクを取った方に、素敵なプレゼントを差し上げます!」
 何てことだ。ちょうど私の番ではないか。よりによってこんな調子の悪い時に…。後ろからiwan-bow氏とバイエルン氏がプレッシャーをかける。
「ストライクだよ、分かっているね?」
 ストライク、ストライク、ストライク…。くそっ、ブルブルと足が震えやがる(体力の限界)。
「良いですか? それでは、レディ・ゴー!!」
 店員のかけ声と共に、全員一斉に投げる。
 ええぃ、どうにでもなれ!
 力一杯投げたボールは、吸い込まれるように真ん中のピンへ。勢い良くピンが弾けると、10ピン全部を巻き込み、何と、見事ストライクに!
 エイドリアーーーーーーーーーン!!!
 3人でハイタッチしていると、店員が来て「おめでとうございます」の一言。そして私の首にレイ(花輪)をかけた。
「…え?」
 明かりがつき、花輪をかけた間抜けな私が一人。恥ずかしい。恥ずかしすぎる。何かの罰か。偉業を成し遂げた男にこのような仕打ち、ラウンド1恨むべし。
 そして景品を渡される。小力のぷにぷにストラップだったらまだ良かったのだが、もらったのはボーリングの玉にタイヤが生えたチョロQ。むぅ〜、いらぬ…。
 そんな景品を持っての記念撮影。パシャリ。あぁ、いっそこのチョロQに乗って帰りたい…。


 体力と同時に精神まで崩壊した私は、言うまでもなくスコアはボロボロ。久々に100を切る結果となった。
 他の2人は激戦の末、バイエルン氏が勝利した。


 会計の際に写真を受け取るのかとビクビクしていたが、渡されることはなかった。
 …ということは撮った写真はどこへ? 店に貼られる? ネットで公開? この顔見たらラウンド1?


 チョロQ返すから許して…。