ショート・ショート

「文章が上手くなるために小説を読むんだったら、手っ取り早く短編集を読めば良いんじゃない?」
 バンビ君がそう言った。なるほど、長編だと気合いを入れないといけないが(気合いを入れるまで3年はかかる)、短編集なら気軽に読めそうだ。
「オススメはこれ。短編集ならこの人のが良いよ」
 そう言って紹介されたのは、星新一という作家の本だった。
 バンビ君が推薦するのなら間違いはあるまい。私は紹介された本を2冊とも買った。


  


 2冊読み終わっての感想。
 確かにショート・ショートの名手と言われるだけあり、発想がすごかった。凡人では到底考えつく事のできないストーリーの数々。思わずうなってしまう。
 ただ、話はそんなに面白くはなかった。中古で良かったと胸を撫で下ろしてしまったくらいだ。
 そんな感想を、バンビ君に正直にメールした。



件名:星新一
本文:2冊とも読んだよ。発想はスゴイと思ったけど、あんまり面白くなかったなぁ。
 するとバンビ君。

そうだろうな
 え〜!? オススメだったんちゃうの〜!?


 ……小説以上の結末をどうもありがとう。