白い雲のように

 ウチの近くには国道17号線という道路がある。片側2車線の大きな道路だ。毎日ひっきりなしに車が走っており、赤信号以外で止まることはまず無い。つうか止まれない。
 そんな場所で、男はおもむろに歩道から身を乗り出した。左手を横に突き出すと、親指を立てて、「グゥ〜!」。いや違う。ヒッチハイクだ! すげ! 初めて見た! 若そうだけどちょっと汚い。大きなリュック背負ってる。全身から疲労感が漂っている。職業は”旅人”かも。
 もう薄暗くなって来ている。早く悟ってくれれば良いが。ここでは誰も止まれないと。


 最終的にタクシー使ってたら面白い。