ボツネタ投稿18
嘘でしょうか、本当でしょうか。
「私はこういうものです(嘘あり)」
僕は免許取りたての頃、リムジンにぶつけてしまった者です。
母が「駅まで送って行って」と言うので、免許を取ったばかりの僕は大喜びで駅まで母を乗せて行きました。大きな駅なので、ロータリーは結構混雑していて、どこに停めようか迷っていました。すると母が「あそこが空いている」と指差すので見ると、リムジンの前が空いていました。僕はリムジンを見るのが初めてだったので、「おぉ、リムジンじゃん」と驚いていたら、「そんなことは良いから早く停めちゃって」と電車の時刻が迫っているらしく、母は早く降りたがっていました。
僕はリムジンの前のスペースめがけて斜めにスーッと入ったつもりでした。母の「あっ!」という短い悲鳴と共に、ギュィーーーという、初めて聞く車のこすれるイヤなイヤな音が……。僕はやってしまった! と急いで外に出ました。母もすぐに外へ出てきたのですが、足をガクガクさせて顔面蒼白。そこでようやく弁償する時の金額を想像しました。何かそこから視界が白く狭くなって、喉がカラッカラに。
運転手が出てきたのでひたすら謝っていたら、一番後ろの窓が開き、すこし太った中年の男性が、「いいですよ。気をつけて運転して下さい」と、とても軽い感じで許してくれました。
僕達は「あぁぁあぁぁ、ありがとうございます〜」と土下座でもするくらいの勢いでお礼を言い、母はヨロヨロしながら駅へ向いました。
今でも思い出すとゾッとする話です。
嘘です。
リムジンなんか見たこともぶつけたこともありません。