やたー

「CD田中」で念願の殿堂入りを頂きました! 嬉しすぎ!
 ファン原さん、公ロケさんなど常連さんたちの4人かぶりスゴい。その上を行く伊藤銀次さんはもっとスゴい。桁が違います。


「嘘あり」のコーナーでも読まれましたが、またもや田中さんに見破られてしまいました。まだ騙せたことがありません。毎回「策に溺れている」と言われます。難しい。


 久々のボツネタをどうぞ。「妙に変だなぁ」、一回くらい読まれたいけど、もうネタ切れ。もっと壊れたネタにしたいのに、頭が固くて壊れてくれない。寿司だと思ったら山手線の電車だったというネタくらい壊れたいなぁ。


「妙に変だなぁ」


 あたし先日、新聞のテレビ欄を見ていたんですよ。そしたらサスペンスドラマの欄に、可愛らしい女優さんの名前を見つけましてね、名前から推測するに、グラビアアイドルから女優に転向した子だと思うんですよ。名前は「木の実ナナ」。”木の実”なんてちっちゃくて可愛らしい名前じゃないですか。しかも下の名前がナナ。「ナナちゃん」なんてつぶやいてみたんですけどね、この子がですよ? 可愛くないわけないじゃない。あたし楽しみにドラマが始まるのを待ってたんだ。主役なんで、何度も何度も出てくると思うんですよ。これは楽しみだなぁ。木の実ナナちゃん、早く見たいなぁ。
 ついにドラマが始まって、木の実ナナちゃんが出てきたんです。 ……あれ〜? 妙に変だなぁ。主役のように出てきたからこの人かと思ったけど、全然違うよ〜。ヤだなぁ。主役じゃないのにしゃしゃり出てこないで欲しいなぁ。主役は木の実ナナちゃんだよ〜? グラビアアイドルで有名な木の実ナナちゃん、早く出してくれないかなぁ〜。あたしモンモンとしながら見ていたんだけど、一向に出てくる気配がないんだ。ヤだなぁ。木の実ナナちゃんの豊満な胸とか見たいのになぁ。まだかなぁ。それにしてもさっきからこのおばちゃん、喋りすぎだよ〜。怖いなぁ。おばちゃん怖いなぁ。ヤだなぁ。
 結局このおばちゃんが全部事件を解いて、犯人まで突き止めちゃった。あれ〜? 妙に変だなぁ。だっておかしいじゃない。主役が犯人を見つけないで、おばちゃんが見つけちゃうなんて。斬新すぎるよ〜。そう思っていたら、エンドロールが流れてきた。配役を見て、あたし気付いちゃった。あ〜、このおばちゃんが木の実ナナだ。
 あたし、大女優の方に、おばちゃんなんて言っちゃってたんですね〜。

 あたしね、家でくつろいでいたんだけど、何だか妙に喉が渇いたなぁと思って、奥さんを呼んだんだ。「喉が渇いたからお茶いれて〜」って。だけど返事が無いんだ。あれ〜? 妙に変だなぁ。もしかしたら倒れているんじゃないかと思って、あたし居間に行ったんだ。でも誰もいない。何だか怖いなぁ怖いなぁ。どこ行ったのかなぁ。でもすぐに気付いた。あ、そうか、走りに行ったんだって。ほら、あたしの奥さん、走るのが趣味じゃない。たぶん走っているんだろうなぁと思って、あたし、奥さんが帰ってくるまでCDを聴くことにしたんだ。何を聴こうかなぁ。ミスチルの「しるし」とか聴きたいなぁ。「しるし」はアルバムの『HOME』に入っていたなぁ。『HOME』どこかなぁ。無いなぁ、無いなぁ、怖いなぁ。しばらくしてあたし、車の中に入れていた事に気付いたの。あ〜、うっかりしてるなぁと思いながら車の所へ行くと、ビックリすることに、ウチの車が無いんだ。あれ〜? 妙に変だなぁ。車が勝手にどこかへ行くなんてあるのかなぁ。まぁ車検だろうなぁ。それ以外に無いよなぁ。怖いなぁ。家へ入ると、ウチで飼っている2匹のネコちゃんが、奥さんを捜しているんだ。だからあたし、教えてあげたんだ。「今奥さんね、走りに行ってるから待っててね〜」って。そしたら突然視界が悪くなったの。あれ〜? 妙に変だなぁ。妙に変だなぁ。あたしね、泣いているんだ。ポロポロポロポロ涙が止まらないんだ。寂しそうにあたしを見つめるチーちゃんとネネちゃんを見て、あたし気付いちゃった。あぁ〜、奥さん、帰ってこないや、って。

 あたし、宮崎へ巨人の春季キャンプを見に行こうと思いましてね。ほらあたし、根っからの巨人ファンじゃない。こりゃ行くっきゃないと思って行ったんですよ。
 何か人が集まっている場所があったので、あぁここだなぁと思っていたら、原監督がいたんだ。原監督、あたしに気付いたようで、「ちょうど良かった。ちょっと手伝ってもらえますか?」って言うんだ。あれ〜? あたし野球なんかしたことないのに、プロの選手を手伝うなんて無理だよ〜って思ったんだけど、滅多にない機会だから手伝うことにしたんだ。「何をすれば良いんですか?」って聞いたら、原監督、「ここ持ってて下さい。そう。そしてピーンと張って」って言うんだ。「一体何を作っているんですか?」って聞くと、「テントを張っているんです」って言うんだ。あ〜、ここで選手たちが休憩とかするんだなぁと思って、一生懸命手伝った。すると、どこからかすごくいい匂いがするんだ。匂いの方を見ると、小笠原選手が、飯ごうでご飯を炊いてる。その横で、ラミレスがカレーを作っているんだ。あれ〜? 妙に変だなぁ。誰も練習していない。キャンプインしているんだから練習しないとダメだよぉ。今年の巨人、大丈夫かなぁ。ルーキーの長野選手なんて、サッカーをして遊んでるんだ。あれ〜? 妙に変だなぁ。これ絶対怒られるよ〜。でも普段使わない筋肉を鍛える練習なのかなぁ。えらいなぁ。頭いいなぁ。感心だなぁ。でも長野選手、よく見ると小さいんだ。いくらルーキーって言っても小さすぎだよぉ。まるで子供に見えるんだ。ヤだなぁ。怖いなぁ。怖いなぁ。
 あたしがそう思っていると、長野選手がラミレスの所へ走って行き、こう言うんだ。「お母さん! キャンプって楽しいね!」って。


 そこであたし気付いちゃった。あ〜、これ、巨人の春季キャンプじゃなくて、普通のキャンプだ〜。

 ある夕方のことだったんですけどね、お母さんがあたしにこう言うんだ。「ケーキあるわよ〜」って。あ〜うれしいなぁ。あたし、台所へ行ってね、そのケーキを見つけたんだ。今日はスポンジケーキか〜と思って、そのスポンジケーキを持ち上げたんだ。すると、妙に軽い。しかも裏側が緑色になっているんだ。あれ〜、このケーキ、カビてるよ〜。ヤだなぁ〜ヤだなぁ〜。怖いなぁ〜。でもほら、あたし昔の人間じゃない。だから「勿体ない勿体ない」と言って、カビの部分をむしり取って食べたんだ。カビの部分を取ってしまえば美味しそうな黄色いスポンジケーキじゃない。ところがですよ、これが全く味がしないんだ。あれ〜? 妙に変だなぁ。ケーキと言ったら甘くて当然なはずじゃない。味がないケーキなんてあるのかなぁ。しかもこのケーキ、噛んでも噛んでも元に戻るんだ。すぐ口の中で大きくなる。ヤだなぁ〜ヤだなぁ〜怖いなぁ〜。唾液もどんどん吸い取られて、喉が渇くなぁ。ヤだなぁ〜。噛むのが疲れたなぁぁぁ。
 そこへお母さんがやって来て、何かを探してるんだ。手にはお皿と洗剤を持っている。何を探してるんだろうなぁって思っていたら、お母さんは「あったあった」と行って、紅茶の横に置いてある美味しそうなスポンジケーキを持って、台所へ消えていった。台所ではお皿を洗っている音が聞こえる。そこであたし気付いちゃった。あ〜、あたしもお母さんも、それぞれ間違ってるよーって。